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高齢者を被害者にも加害者にもしないために

お買い物代行こみみケーションです。

前回のブログで、高齢の親に対して「免許返納」を決意させた方の事例をご紹介させていただきました。

「高齢の親に免許返納を勧める時のポイント」

 

それから数日後、高齢ドライバーによる交通死亡事故が発生し、大きな問題となりました。

 

4月19日、東京池袋で暴走する車に跳ねられ、3歳の女の子と母親が死亡し、8人が重軽傷を負った。車を運転していてのは87歳の男性で、ガードレールに接触した後、アクセルを踏み続けたまま2箇所の交差点を制限速度を超えるスピードで走り抜けたという。

 

また21日には、神戸市の三宮で市営バスが横断歩道に突っ込み、20歳と23歳の若者が死亡、6人が重軽傷を負うという事故もあった。

 

 

高齢者と若者の事故率はどちらが高い?

このようなことがあると、すぐに「高齢者だから」とか「高齢者は危険」みたいな風潮になってしまいがちです。

「事故を起こす」ということが問題であるならば、高齢者よりも16歳~24歳の若者のほうが事故率は高いです。若者が事故を起こす確率は40〜49歳および65歳以上の中高年層の2倍を超します。つまり、若い運転者の数が減れば、交通事故の総数は自動的に減少します。高齢者の事故の割合が高まっているのは、主に高齢者の数が大幅に増えたことが原因です。

 

 

高齢者が目をつけられるわけは?

加齢により判断能力や運動能力が低下するのは間違いありません。高齢者が事故を起こすと、全て「機能低下」が原因かのように思ってしまってしまいますが、高齢者の事故といってもその原因は様々です。ではなぜここまで問題視されるかというと、機能低下による事故の場合、とても悲惨な結果に繋がりやすいからです。「アクセルとブレーキを踏み間違えて突っ込んだ」とか「信号や人の発見が遅れた」など。考えただけでも恐ろしいですね。


 

高齢者は運転を自粛したほうがいい?

可能であるのならば運転は自粛されたほうがいいでしょう。

前述したように、高齢者の交通事故はマスコミによって大きく取り上げられます。これからは小さな事故であっても全国区のニュースになるかもしれません。今や高齢ドライバーの事故は世間の関心事です。高齢ドライバーに対して「社会の目が厳しくなった」といえるでしょう。

多くの高齢ドライバーは、人を巻き込むような事故は起こさないでしょうし、運転に支障をきたすような機能の衰えもしていないかと思います。「自分は大丈夫」その通りなんだと思います。

しかし「何かあってからでは遅い」です。

今までご自身が築きあげてきたものを全て失ってしまうこともあるでしょうし、ご家族の方にも心配や迷惑をかけます。人を巻き込んでしまった場合、取り返しのつかないことにもなりかねません。

ご自身を守るため、ご家族を守るため、加害者にならないために…運転の自粛を検討してみてください。

 

高齢者は交通事故の被害にもあいやすい

愛知県における平成29年中の交通事故死者数は200人で、このうち約60%を占める110人が65歳以上の高齢者です。

110人のうち、歩行者59人、自転車23人、四輪車21人、原付4人、その他3人。

歩行者の50人(約80%)が「道路横断歩道中」の事故です。

歩行中と自転車乗中の82人中、42人(約50%)が自宅前から半径500m以内の事故で亡くなっています。

いつもの散歩や買い物の行き帰りなど、とても身近なところで交通事故は発生しています。慣れた道ですので気が緩んでしまうのでしょうが、慣れた道であってもしっかりと安全策をとっていただきたいです。

 

被害者にも加害者にもならないために…

色んなコメンテーターが「高齢ドライバー対策」について案を出しています。

認知検査を強化して免許更新させないとか運転免許の定年制を設けるなど、高齢者から「免許を取り上げる」ためのことだけを一生懸命語っている人がいます。創造力の欠片もないので話しになりません。

一方では、自動運転への期待、自動ブレーキの義務化、タクシーや公共交通機関の整備や補助など、「車が無くても生活できる」ように考えている人もいます。将来的にはこのような社会になってほしいとは思いますが、問題は「すぐに実現できない」ことです。

高齢者の方が大きな事故を起こすのは「今日かも」しれません。車に乗り続けている限り、事故のリスクはつきまといます。ご家族の心配もずっと続きます。「何かあってからでは遅い」と思われている方にとっては、待ったなしです。

「被害者にも加害者にもならない」ようにするために、自衛策をとりましょう。「車がなくても快適な暮らしができる」ように、何ができるかを各々のご家庭で検討されることをお勧めします。

 

下記は、高齢の親に「免許返納」を決意させたご家族の事例となります。参考にしてみてください。

「高齢の親に免許返納を勧める時のポイント」

 

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